・『特別な』

新 鼻 袋 〜第四夜目〜

418 :ゴーストハンター:04/04/18 14:23 ID:n+5N7swH
小さいころ、自分は特別な存在だと思っていた。
不遜な話だが、誰しもそういう時期を体験するらしい。
上手くいかない体験を重ねることで、外の社会との関わりについて正しい距離感を身に着けていくものなのだ。

私は自分が死ぬとは思っていなかった。
ただ漠然と「自分が死ぬわけがない」と思っていた。
しかし小学校低学年のころ、その思考がひっくり返る出来事があった。

下校して、いつものように家で漫画を読んでいた。
ませていた私は、当時ビックコミックオリジナルでやっていた企画ものの怪奇特集を楽しみにしていた。
ふと気づくと、私は横になったまま金縛りにかかっていた。
寝たつもりはないのに。
混乱している私の頭の上に黒いものが、ぬうっと現れた。
それは皺くちゃの老人で、私を面白そうに除きこんでいた。


419 :ゴーストハンター:04/04/18 14:26 ID:n+5N7swH
老人の口が動いていた。
よく見ると老人は自分の人差し指と薬指を食べていた。
私は直感した。
指を食べ終わったら、次は私だと。
家族を呼ぼうにも声がでない。
老人が左右とも指3本になった手で私の顔を覆うように近づいてきた。
私はそのときはじめて、「自分も死ぬのだ」ということを理解した。

ふと気がつくと、仰向けになったまま漫画が顔の上に乗っていた。
ガバっと起き上がったが、体のどこにも異常はない。
助かったことへの安堵よりも、死というものの側面に触れたことへの粟立つような恐怖が体を震わせていた。


今では私がおじいさん。
孫に勧めるのはもちろんビックコミックオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。




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posted by 巨匠 | Comment(0) | ウニシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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