・『左手』

新 鼻 袋 〜第四夜目〜

328 :ゴーストハンター:04/04/01 16:28
子供のころ、私の寝ていた部屋は霊道、霊の通り道だったと思われる。
その部屋で気持ちの悪いことが何度もあった。

もっとも強烈な体験は12歳の夏、
いつものように早めに布団に入ってウトウトしていると急に左手を引っ張られた。
布団から引きずり出される形になって、パニックになっていると手首のあたりに鋭い痛みが走った。
日本兵のようなゲートルをした男がうつろな目で日本刀を振り下ろしていた。
何度も何度も同じところを切られた。
やがて満足したのか、私の手を離すと押入れの方へ消えていった。
私は「切られた切られた」と言って泣きながら両親のところへ走ったが、「なにいってんの」とぶたれた。
確かに手首には傷一つついていなかった。
しかし痛いのである。
一晩寝たら痛みは消えたが、それから私はその左手に悩まされることになった。


329 :ゴーストハンター:04/04/01 16:28
ファントム・リブというものをご存知だろうか。
足や腕を切断された人が、ないはずの足先や指先の痒みをうったえる、という現象である。
私はその逆で、時どき左手の手首から先がないような感覚に襲われる。
始めは神経の異常ではないかと思ったが、中学になって野球部に入るとありえないことが起こった。
外野の守備についていると、打球を追っかけている時にグラブを落とすのである。
監督に怒鳴られたが、守っているとまた落とした。
私は落としているつもりはなく、気がついたら下に落ちているのだ。
その他にも、自転車に乗っていてバランスを崩してこけることもあった。
左手を使うのが怖かった。


330 :ゴーストハンター:04/04/01 16:29
写真をとる時、ついつい左手を隠してしまう。
「写らないのではないか」という予感があるからだ。
クラス合宿で、知らない間に写真をとられたことがあった。
それをとった友人が青い顔で「おいおい、これ」と言ってきたので、
「ああ、とうとう・・・」と思って恐る恐る写真を手に取った。
キャンプ場の川原で遊んでいる写真だが、
突っ立っている私の左手は手首までしかなく、その先は足元に落ちていた。




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posted by 巨匠 | Comment(0) | ウニシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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