・『雲』

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?37

63 :雲:03/05/10 01:12
不可解な記憶がある。
僕は小学生のころ団地に住んでいて、すぐ近くにあった田んぼが休耕している季節には、そこでよく遊んでいた。
乾いてひび割れた地面からは雑草が顔を出していて、カエルをを踏んづけてしまうこともあった。
独特の生臭いような空気を吸いながら駆けまわった。
僕の原風景だ。

仲良しだったケンちゃんと2人で、夕暮れのなか田んぼでボールを蹴りあっていた時だった。
ケンちゃんがボールを蹴り返してこない。
「おーい、ケンちゃん」と呼んでも、ぼーとして突っ立っている。
「あれ」
ケンちゃんが僕の後ろを指差した。
ふり返ると、真っ赤な夕焼けの向こうに、巨大なキノコ曇が立っていた。
山のはるか彼方。けれど見上げるほど大きい。
僕は驚いてベソをかいた。ケンちゃんが言う。
「原爆がどこかに落ちたんだよ」
僕は逃げるように家に帰り、布団に頭を突っ込んで泣いた。

いま思い出すたび不思議な気持ちになる。
あれはなんだったのだろう。




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posted by 巨匠 | Comment(0) | ウニシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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